2018.03.27更新

ヘルペスの産道感染はあり得る?

妊娠中は無菌状態の羊水の中で胎児は育てられますが、破水後に胎児が産道から外陰を通り抜ける際には、様々なウイルスや病原体に晒されてしまう状態にあります。
そのため、母親が単純ヘルペスウイルスに感染していた場合、母子感染してしまうリスクが高くなります。

赤ちゃんが母親の産道を経由した際にヘルペスに感染することを新生児ヘルペス感染症と言います。
母親のヘルペスが初発の場合は約30~60%、再発の場合は1~3%の確率で新生児ヘルペス感染症が発症します。
初発の場合は再発に比べウイルスの増殖量が多いので、特に危険が高まります。

新生児ヘルペス感染症は「全身型」「中枢神経型」「皮膚型」の3つの種類に分けることができます。

全身型
「全身型」は最も重篤な症状で、生後一週間以内に多臓器不全を起こしてしまいます。 抗ウイルス剤を使用しても、生存率は70%程度です。
中枢神経型
「中枢神経型」はけいれんや無欲状態などの脳炎による中枢神経症状の症状がみられます。 この症状で亡くなる可能性は低いですが、6割以上の赤ちゃんに神経系の後遺症が残ってしまいます。
表在型
「表在型」は目、口の周り、皮膚に水疱がみられますが、発見しやすく、予後は良好なことが多いです。 このうち「全身型」と「中枢神経型」は、皮膚の表面に水疱などの症状がないことが多く、早期発見することが大変難しいのが実情です。

こうした産道感染を防ぐために、出産するタイミングで妊婦が性器ヘルペスを発症している場合は、経膣分娩を避け、帝王切開で胎児への感染を防ぎます。
ただ、ヘルペスを発症してから1ヶ月以上経過していたり、2度目以降の再発で1週間以上経過している場合は、ウイルスの量が少なく、産道感染する可能性が低いため、普通分娩となる場合もあります。

ただ、ヘルペスウイルスは感染してもすぐに発症しない場合も多く、母親にヘルペスの自覚症状がないまま普通分娩で出産し、生まれてきた子供が新生児ヘルペス感染症に感染してしまうケースも少なくありません。
そのため、妊娠したらすぐに性病検査を受けて、産道感染のリスクのない出産ができるように準備をしていく必要があります。

子供もいる家族の誰がヘルペスになったら気をつける事

子供は抵抗力が弱いため、ヘルペスウイルスが身近にあると感染の危険性が高まります。
もし子供のいる家庭で誰かがヘルペスになってしまったら、子供に感染させないためにどんなことに気を付けるべきなのでしょうか?

まずは家族間で同じタオルを共有しないように気をつける必要があります。
ヘルペスの患部に触れてしまったタオルにウイルスが付着していると、そのまま次にそのタオルを使った人の皮膚にウイルスが乗り移り、感染してしまう恐れがあります。
特にタオルは水分をふき取るときにゴシゴシと身体に擦りつけることが多いので、家庭内で感染するケースは非常に多いのです。

ヘルペスウイルスは熱に弱いので、お湯を介して感染することはないとされています。
しかし、水ぶくれの症状が出ているとき、入浴中に水ぶくれが潰れてしまうと、ウイルスが浴槽や風呂桶、風呂イスなどに付着してしまい、子供に感染させてしまう可能性もゼロでありません。
そのため、入浴中に水ぶくれが破れてしまった場合はシャワーで浴室内を洗い流し、衛生状態を保つようにしましょう。

それ以外にも、ヘルペスウイルスは唾液に含まれる場合があるので、食器の共有で子供に感染させてしまう場合があります。
特に小さな子供の場合は、親が食事を食べさせてあげることが多いので、ヘルペスウイルスを保持している親が使った食器で子供に食べ物を食べさせてしまい、思いがけず子供に感染させてしまったというケースも多いです。
また、コップやペットボトル飲料の飲み回しでも感染することもありますので注意が必要です。

ヘルペスウイルスは非常に感染力の強いウイルスです。
特に皮膚に水ぶくれや赤いブツブツなどの症状が出ているときはウイルスが大量に増殖している時期となり、接触感染の可能性が高くなりますので、家族間でヘルペスが蔓延しないように注意深い配慮が必要となります。

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